甘いものを食べて空腹を抑える方法

ブドウ糖が多く含まれる糖質は、同じ量だけブドウ糖を摂っても、食品の加工の状態によってブドウ糖の小腸からの取り込まれ方は違っています。例えば、白米を炊いたご飯は粒状のために消化液によって分解されるまでに時間がかかります。それに比べて、米を粉にしてから固めた米粉(ビーフン)や米を蒸してついた餅は粉になったものが合わさっているので消化液によって早くブドウ糖に分解されます。麦の場合には、麦そのものを食べるよりも、粉にしたものを練って伸ばした麺や、練った後に焼いたパンや菓子類のほうが分解されやすいことがわかります。
満腹中枢は、ブドウ糖の量が多くなるほど早く満腹を感じるようになるのですが、少ない量であっても早く吸収されて急激に血液中に多くなることでも早く満腹を感じるようになります。というのは、人間は長い歴史の中で、血液中にブドウ糖が一気に吸収されるような食品を食べることがなかったことから、ブドウ糖の量が一定の量以上になると、多くの量の食品を食べたと判断するような仕組みになっているからです。つまり、短時間に一気にブドウ糖が吸収される砂糖や、砂糖が使われた食べ物や飲み物を摂ると、多くの量を食べたのと同じように脳が反応して空腹感がなくなります。
スイーツには砂糖が使われることからブドウ糖が多く含まれていますが、もう一つの甘いものの代表であるフルーツには果糖が多く含まれています。フルーツを用いたダイエットは、フルーツに含まれる成分の効果を活かしていて、フルーツが太りやすいものであったら、成分の効果が低下してしまうことになります。しかし、フルーツに含まれる果糖は砂糖よりも甘いにも関わらず、太りにくいので、安心して食べることができます。
フルーツに含まれる糖質の割合は、種類によって違うものの、果糖が50%、ショ糖が20%、ブドウ糖が15%ほどとなっています。血液中へのブドウ糖の吸収の度合いを示すGI値はブドウ糖を100とした場合の割合で示されますが、それでみると果糖は20と、5分の1の値となっています。果糖の割合が多ければ、それだけ太りにくいということがわかります。
ちなみに、果糖はフルクトースとも呼ばれる単糖で、フルーツやはちみつに多く含まれます。ブドウ糖の1.4倍ほどの甘みがあり、砂糖の1.2〜1.7倍の甘み(糖度)があります。果糖は、そのままエネルギーになるほか、ブドウ糖に変換されてからエネルギーになるものもあります。果糖は他の糖に比べて肝臓で中性脂肪に合成されやすい特徴があります。
ショ糖(蔗糖)はブドウ糖と果糖が1分子ずつ結びついたもので、スクロールとも呼ばれ、砂糖の主成分となっています。サトウキビやサトウダイコンから抽出して純度を高めて結晶化したもので、結晶が大きなものは氷砂糖になります。170℃に加熱すると褐色のカラメルとなります。体内では消化酵素によってブドウ糖と果糖に分解されます。