発達障害は五感で苦手なことがある、苦手を通り越して受け入れられないことがある、と食事を例にして説明しましたが、食事以外での感覚、つまり味覚以外の触覚、視覚、聴覚、嗅覚についても発達障害の理解のために紹介します。
触覚では、触ることができないものがある(のり、ねんど、スライム、たわし、毛糸)、服の着心地にこだわる、苦手で着られない服、靴下、靴、帽子がある、手がベタベタしたり手が水で濡れることをとても嫌がる、シャワーを痛いと感じて泣き叫ぶ、髪のブラシ・歯磨き・爪切りなどをとても嫌がる、軽く触られただけでも大きく身体を引いてしまう、握手やハグが苦手、注射など痛みにすごく敏感、温度に対して敏感でとても暑がりや寒がりといったことがあげられます。
視覚では、光や白いものをとてもまぶしがる、フラッシュを嫌がる、色の組み合わせでとても苦手なものがある、反射や回っているものをずっと注視している、人ごみなど動くものがたくさん目に入るとすごく疲れるといった例です。
聴覚では、大きな音が苦痛、特定の音や声が苦手(スピーカーやマイク、金属音、サイレン、花火、赤ちゃんの泣き声、怒鳴り声など)、騒々しい場所では集中できない、話の聞き取りが難しい(必要な声を選んで聞くことができない)、周囲の音が同じように聞こえる(選択的に音を聞くことができない)、時計の音、換気扇などの生活音が気になるといったことがあげられます。
嗅覚では、特定のにおいがものすごく苦手(石鹸、柔軟剤、花、線香、食品、バスなどの乗り物のにおい)、他の人が気づかないようなにおいにも気がつく、化粧品売り場や食品売り場、動物園など苦手な場所にいられない、なんでもにおいを嗅いで確かめるということです。
これと逆の感覚鈍麻もあり、刺激に対する反応が弱く、感覚が鈍い傾向があります。
感覚過敏は体調や気分によって大きく左右されます。同じ感覚刺激であっても体調や緊張、不安などによって感覚過敏が出やすくなる傾向があるので、これが判定を難しくさせています。