発達障害児を支える活動というと、学校の教師や医療機関の専門家、支援施設の専門家と考えてしまうかもしれませんが、専門的なケアができたとしても、ずっと寄り添っていることはできません。寄り添って、支え続けることは親にしかできないことです。支える第一ラインは親であり、中でも母親が発達障害を理解して、具体的な困りごとの対処の方法を学ぶことができる機会を提供することが重要だと考えます。
では、その母親を支える活動が発達障害支援施設で可能かというと、必ずしも、そうとは限りません。総論的な指導や、これまでの実例を参考にしてアドバイスすることはできても、個別の悩み事、対応法を教えるのは難しいことです。運動と食事の組み合わせ、運動と休養の組み合わせ、食事と休養の組み合わせによるメディカルダイエットの手法で、子どもの生活を支える母親と向き合ってきてわかったことは、発達障害の子どもを支える母親を支えるということが実は、あまり施設ではできていないということでした。
施設などで学んで、アレンジして対応することはできても満足はできていなくて、もっとよい方法はないのかと思うのは当然のことです。それに対応するための手法は、日本メディカルダイエット支援機構も持ってはいるのですが、私たちは発達障害の子どもの母親を具体的に支えた経験となると他人に誇れるほどのことはありません。しかし、できることはあって、それは母親にアドバイスをしてきた専門家の方々に新たな対策法として、私たちが実践してきたことを伝えて、支えてもらうことです。
私たちができるのは直接的に支えることではなくて、“支える人を支える”という活動です。専門家が専門性を持って対応する中で、私たちがやってきたことが役立てられて、解決に向けて一歩を踏み出すことができれば幸いです。それは立派な料理に振りかけるスパイスのような役割でしかないかもしれませんが、スパイスが決め手になることもあると信じて、発達障害児支援に向けて、これまでの研究活動を整理しているところです。