発達障害児の母親に必要なのは特徴を活かす支援

発達障害児の中には特殊な能力の持ち主が存在していることから、それを期待する風潮があります。期待を寄せている当事者である発達障害児の親としては、すべての発達障害児ではないとしても高確率で特殊な能力の持ち主がいて、自分の子どもも同じであると考えたい気持ちであることは充分に理解ができることです。
発達障害児は、脳の発達のズレのために、平均的な能力からすると、かなりの凹凸(おうとつ)があります。そこで凹の部分、つまり社会生活のためにマイナスとなっている部分を埋めようとする支援が行われるのが一般的です。もちろん、凸の部分、つまりプラスとなっている部分を伸ばそうとする支援もされているのですが、通常には発達障害児への支援というと、凹を埋めることから始められていて、いろいろな制約があって凸を伸ばすところまでは進んでいないという実態があります。
凹を埋めること以上に凸を伸ばすというのは、発達障害児に対しての支援だけでなく、発達障害児の親についても同じことがいえます。親への支援によって、現在の能力を伸ばして、それが発達障害児の支援にもつながればよいという考えです。
発達障害児の母親への支援は、勝手に考えて押し付けるようなことをするのではなくて、どんな支援が必要かということを聞くようにしています。その返事の中で数が多くて気になるのは「短時間で稼げる仕事を紹介してほしい」という声でした。発達障害児の母親の中で、子どもの世話をするだけでよいという例は少ないはずで、負担がかかる子どもの世話をしながら収入を得なければならない、さらに他の子どもの世話もあり、自分の親の世話をしなければならないという状況にある母親も少なくはありません。
自由になる時間が短い中にあって、稼ぐようにしなければならないとなると、個人の能力を完全に活かし切ることで収入を得るようにしなければならないことになります。そのために、日本メディカルダイエット支援機構が実施している発達障害児の母親は、まずは自分の能力に気づいてもらい、それが活かせる方法を見出すためのきっかけづくりを一緒に進めていくための勉強の機会を提供することから始めています。