発達障害の自閉症スペクトラム障害は、他人との交流を避ける、空気が読めない、人付き合いが苦手という特徴があります。言葉の発達の遅れがみられることはあるのですが、会話のやり取りがうまくできない、相手の表情を読み取れない、相手の気持ちが理解できないといったコミュニケーションがうまくとれないことが大きな特徴とされています。
コミュニケーション能力に問題があるだけではなくて、強いこだわりがあり、自分なりのルールを定めて、これが崩されると混乱して、パニックを起こすこともあります。自閉症の一つではあるものの、知的な遅れがない高機能自閉症であって、その中でもアスペルガー症候群は、むしろ知能が高い傾向にあります。自閉症であっても症状が軽いことが多いことから、発達障害だと気づかれないこともあります。
そのために大人になってから気づかれることが多くて、子どものときから発達支援が受けられないために、改善されないまま成長して、社会生活で人間関係がうまくいかない、自分の意志を通そうとすることが強引と捉えられる、自分の考えと違うことをされると怒りが湧いてくるといったことが将来にわたって残ることがあります。
アスペルガー症候群は、子どものときなら他の人に当たったとしても暴力的というところまではいかないものですが、大人になってから診断されると、体力的に優れている、家庭の中で強い立場にいるといったこともあって、周囲が改善をさせようとしても、それに反発して暴力的な行動に出ることも多くはないものの、認められています。
病院で診察を受けさせようとするだけで、暴力的に抵抗することも例として報告されています。そのために親は病院で治療を受けさせることができない、家庭内で荒れるだけでなく、家の周囲の弱い立場の子どもたちや高齢者に攻撃的になるということもあります。そのようなことにならないようにするためにも、早期に発見して、隠すことなく、早期に支援を受けられるようにすることが大切なことだということを常に訴えさせてもらっています。