知能指数はIQ(Intelligence Quotient)は、知能検査の結果を数字で表したもので、一般には高いほど知能が高いこと、低いほど知能が低いことを表しています。知能指数の標準得点の中央値は100で、85〜115の間に約68%が収まり、70〜130の間に約95%が収まるとされています。
発達障害児を受け入れる支援施設は、発達障害だけがみられた子どもだけを受け入れるところと、他の障害があって発達障害もある子どもを受け入れているところに大きく分けられています。
他の障害というのは、知的障害、視覚障害、聴覚障害、言語障害、肢体不自由、内部障害に大きく分けられています。発達障害の他に障害がある子どもであれば、すべてを受け入れてもよいはずですが、実際には身体的な障害のある子どもは少なくて、知的障害の子どもを受け入れる例が多くなっています。これ以外の子どもは、発達障害の範疇ではなく、障害者を受け入れる施設が対象となります。
では、知的障害がある発達障害児は、どのレベルの知的指数となるのかというと、IQでは69以下は知能指数が非常に低い知的障害とされます。IQが70〜79では知能指数が低いとされて、この範囲はグレーゾーンとされています。
発達障害と知能指数の関係については、どうしても発達障害児は知能指数が低いように思われがちですが、文部科学省の『通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査』(2012年)で発達障害の可能性がある小中学生は6.5%と発表されたのは、知的発達に遅れはないものの学習面や行動面に著しい困難を示すと担任が回答した児童となっています。つまり、この場合の発達障害は知的障害がない子どもということになります。
発達障害児の知能指数は低いわけではなくて、アスペルガー症候群では、むしろ知能指数が高いことが指摘されています。こういったことから、発達障害児は知能指数が低いようなことは単純には言ってほしくないのです。