「2〜300km」の表示は勘違いを招く

テレビ番組の内容で、制作者の質を考えてはいけないことは充分に承知しているのですが、教養番組でテロップに妙な表示が出ていると、「この番組の制作者は大丈夫か」と思ってしまうこともあります。
ある場所から離れているところを示すときに、200kmから300kmの距離だという意味で、幅を持たせて「200〜300km」と表示するのは普通のことです。このテロップに合わせたナレーションでは「2、300キロメートル」となります。わざわざナレーションで「200から300キロメートル」とは言わないのが普通です。ナレーションの原稿を使ってテロップを作った場合には「2〜300km」と表示されることもありますが、そのとおりの番組を目にすることになりました。
ナレーションが聞き取れないだけでなく、テロップが出ていると、そちらのほうに気を取られてしまい、「2〜300km」と出ていると、なんだか幅があるのだなと感じてしまうことにもなります。距離の単位としてkmと出ているので、2につく単位もkm(キロメートル)となるはずです。kmよりも下の単位はm(メートル)ですが、今回の場合は少なくともkmであったことになります。
これが金額で、しかも予算の話となると問題が大きくて、ある経済番組で「2〜30億円」とのテロップが出ていました。これだけでは「2億円から30億円」なのか「20億円から30億円」なのか、それとも「2円から30億円」なのかわからなくなります。
まさか2円の予算ということはないだろうということで、2億円から30億円か20億円から30億円という範囲になるのでしょうが、それにしても2億円からだった場合にはテロップは「2億〜30億円」となるはずです。“億”を入れてくれたら2億円からということがわかるので、勘違いはしなくなります。ということで、実際には「20億円から30億円」だったということで、それなら「20億〜30億円」として、絶対に間違いがないようにしてほしかったところです。