食のユニバーサルデザインの“食”は何だろうか

障害の有無、年齢に関係なく安心して暮らすことができる共生社会の実現ために必要なものの一つとしてユニバーサルデザインがあげられます。食事に関してもユニバーサルデザインは必要ですが、これをキーワードとしてネット検索すると出てくる情報のほとんどがユニバーサルデザインフードです。これは介護食品でレトルトや冷凍食品の形状で、軟らかくて食べやすく、消化もよいものですが、高齢者や障害者のための食感や味付けではなくて、栄養バランスも考えられていて、誰でもが食べられる内容となっています。
そのエネルギー量は100kcalが基本となっています。食のユニバーサルデザインを打ち出して、治療食や介護食を提供する方々の支援を行った先生が、100kcalの食事を基本としたダイエット・デザイン・ハウスを打ち出して、100kcal単位の食事をワンパック化して提供することの有用性を教育していったことと関係があります。日本メディカルダイエット支援機構の理事長は、その大学の先生と一緒に100kcalダイエットのNPO法人を立ち上げて活動してきた関係から、食のユニバーサルデザインについては、ずっと関心を持って変化を見てきました。
食のユニバーサルデザインは、何を、どれくらい食べれば栄養バランスが取れるかを知って、そのための食品を選び、自分で献立づくりができるようにすることを目的としているのですが、“食”を、どう考えればよいのかは英語で何になるのかということから考えるようにしています。食品(food)ではないし、食事(meal)でもなく、食べる(eat)でもないと考えた結果、提案したのは食生活を意味するdietです。食事療法はdiet cureで、食文化はdietary cultureとなります。Dietaryは“食事の”を意味する用語で、私たちが普通にサプリメントと呼んでいるのはdietary supplementです。
日本メディカルダイエット支援機構のダイエットは食事療法だけでなく、健康のために正しいことを実践するdietを基本としているので、食事にだけこだわっているわけではありません。しかし、食事は重要なことなので、医学・科学に基づいたメディカルダイエットとして食事と運動、食事と休養、運動と休養の組み合わせによる効果的な健康法を提供しています。