糖質の分解阻害に関わる健康食品とメディカルダイエット

血糖値の上昇を抑えるために一番に使われる医薬品は、糖質がブドウ糖に分解されるのを抑えるもので、糖質分解酵素のα‐グルコシダーゼの働きを抑制するα‐グルコシダーゼ阻害薬です。健康食品の素材の中には、α‐グルコシダーゼ阻害の作用をするものがあって、胃の中に食べたものがある間に摂ることで、糖質の分解が抑制されます。糖質は胃の中で完全に消化されるまでには平均2時間かかりますが、ブドウ糖分解抑制成分が効果を発揮するのは30~60分間であるので、糖質が分解されるためにブドウ糖不足になることはありません。
ブドウ糖分解抑制作用のある素材としては、アロエベラ、ウチワサボテン、グァバ、桑の葉、菊イモ、コタラヒム、サラシア、豆鼓エキス、ニガウリなどがあげられます。
アロエには血糖降下作用を持つアルボランA・Bというムコ多糖類が豊富に含まれています。ムコ多糖類は医薬品の成分を吸着して吸収されにくくするため、経口薬の作用を低下させる可能性が指摘されています。そのため、医薬品を服用するときには、アロエとは2時間ほど離して摂ることがすすめられます。ウチワサボテンには水溶性食物繊維のペクチンが豊富に含まれ、水分を吸ってゲル状になって粘度が高まることで、ブドウ糖が胃から小腸に運ばれる速度を遅らせます。その結果、ブドウ糖の吸収を遅らせて、血糖値の上昇を抑えることから血糖値を下げる作用が認められています。
グァバの葉に含まれるグァバ葉ポリフェノールには胃で糖質をブドウ糖に分解する酵素のα‐グルコシダーゼの働きを抑制し、小腸からブドウ糖が吸収されるのを遅らせ、血糖値の上昇を抑える作用があります。桑の葉には特有のデオキシノジリマイシン(DNJ)が含まれます。DNJは糖質をブドウ糖に分解する酵素のα‐グルコシダーゼに結合して働きを抑えます。
菊イモの主成分のイヌリンは難消化性の果糖が約30個つながった多糖類で、吸収されにくく、ブドウ糖が含まれていないことから血糖値に影響しません。また、イヌリンの一部は胃の中でゲル状になり、糖質や脂肪の吸収を抑制し、排泄させるため、血糖値、中性脂肪値の上昇が抑制されるようになります。
インドやスリランカなどの亜熱帯地域に自生するニシシギ科のツル性低木は、コタラヒム(学名:サラシア・レティキュラータ)とサラシア(学名:サラシアオブロンガ)に分けられます。コタラヒムとサラシアの特有成分のサラシノールは糖質をブドウ糖に分解する酵素のα‐グルコシダーゼの働きを阻害するため、血糖値を上昇しにくくする作用があります。
豆鼓エキスにも同じ作用があります。
ニガウリの果実にはインスリンに似た働きをする化合物が含まれ、血糖値の上昇を抑える作用があります。また、特有成分のモモルデシンには食欲を抑える作用があります。