新型コロナウイルスに感染したかもしれないと不安になって医療機関を受診しても、そのときの状態が体温37.5℃以上、咳、過度の疲労があっても、そして肺炎であることが診断されたとしても、新型コロナウイルスの検査を受けることはできません。武漢縛り、湖北省縛りがなくなり、医師から危険度が高いと診断されたら検査を受けられると思い込んでいた人も多いようですが、いまだに誰でも検査が受けられるという状態にはなっていないのです。
一般の人が不安に感じているのは、道を歩いている人でも、近くでおしゃべりしている人でも、家族でもなく、多くの患者と触れ合っているであろう医師です。だから、医師は新型コロナウイルスの検査を受けて、陰性であることを確認してから診察に当たっているのかと思ったら、医師もリスクが高い陽性が疑われるような状態でないと検査を受けることができないのです。
新型コロナウイルスは感染していても、まったく症状が現れず、その段階であっても他の人にうつしてしまうのが恐ろしいところで、新型コロナウイルスの心配がないようにみえる人から診察をした医師に感染して、その医師が接触した人に感染させるということが普通に起こります。だからこそ、医師は絶対に安全な状態で診察に当たってほしいところですが、その医師が検査を受けられないということでは、本当に安心して受診ができるのかと思ってしまいます。
これでは、なかなか感染が発見されず、次々に感染させていってしまうことになります。それなのに医師も検査を受けることができないというのは、陽性を増やさないだけではないかと穿った考え方をする人までいます。陽性の人を見逃さず、その人から感染して陽性になる人を増やさないという意味ではなくて、陽性であっても発症しない人がいるので、検査をさせないようにして陽性を実態よりも減らすという、本当にうがった考え方です。そんなことは考えすぎであって、杞憂でしかないという結果になってくれればよいのですが。