感染拡大から考えるプロのマスクの表裏

医療関係者、福祉関係者が数多く集う会合に出席してきました。政府から新型コロナウイルスの感染を防止するために不要不急の外出を控えることが呼びかけられている最中に開催されたということは、それだけ重要な会合だったということです。もちろん感染防止のために会場の前には消毒剤と使い捨てのマスクが用意されていて、マスクなしでは入場できないという防御策が取られていました。
登壇した関係者、講演者が前に立って話をするときには、距離の安全を確保しながらマスクを外していましたが、それ以外は全員がマスク着用というのは圧巻なシーンでした。感染防止には最大限の周囲を図っているプロばかりなので、マスクのつけ方も正しいはずと思って見て回ったところ、5人に1人ほどは表裏が逆になっていました。つまり、本来なら唇と鼻に触れる部分を外側にして、外側になる部分を唇と鼻につけているということです。
表裏が逆だからといって使い捨て用のマスクに使われている紙や布には変わりはないので、素材による感染防止に変わりが出るわけではありません。問題は表裏が違っていると、装着したときに横から細菌やウイルスが侵入しやすくなるのです。耳にかける紐がついているのが表(外側)で、紐によってマスクの左右の端を押さえることによって頬に密着するようになっています。表裏を間違えると、端が浮いてしまい、ここが侵入経路となります。
テレビでマスクをつけている人を見るたびに、表裏が気になって注目してしまうのですが、特に気になるのは医療関係者のマスクです。クリニックの感染防止対策の番組で、一生懸命に説明している医師のマスクの表裏が逆で、クリニック内を消毒している看護師も表裏が逆になっていたこともあります。マスクの品切れを伝える番組で、マスク姿の薬剤師のマスクが表裏が逆になっていたのも驚きました。販売するときに、少なくとも表裏の話をしてほしいところですが、それができていないということです。逆にしてつけると感染のリスクが高まるということを伝えれば、より安全度が高まるのですが、まだまだという状況です。