「儲かる仕組み」というのは以前からビジネスの世界では言われてきたことで、「儲」は「信」と「者」を組み合わせた文字とみることができることから、信じて集まってくる人が多ければ儲けることができるということで、ビジネスの見本とされてきました。その一つの例がメルチレベルマーケティング(MLM)で、ネットワークビジネスとも呼ばれます。口コミでビジネスに誘うことで、紹介者利益が得られるというビジネスモデルですが、新型コロナウイルス対策で情報収集とモチベーションアップの集会が開けず、人に会わなければ伝えられない口コミのビジネスだけに、感染拡大の中では急に止まってしまうスタイルとなっています。
コンサートも儲かる仕組みの一つで、入場料収入はわずかないものであって、実際にはグッズ販売で大きな利益をあげています。テレビ報道されたドーム球場でのコンサートでは、チケット販売が2億円、グッズ販売が8億円で、それが中止のためになくなったということでした。
一つの会場に多くの人が一定の時間、すし詰め状態ということなら、感染拡大防止のために中止や延期も仕方がないとは感じるものの、外で一定の距離を置いて歩くだけなら開催されてもよいのではないかと思うものの、全国各地のウォーキング大会(日本ウオーキング協会が主管するものはウオーキング大会)が次々に中止となっています。歩くだけのイベントなら大した人数ではないかと思われがちですが、2日間で1万〜2万人を集客するのは普通のことです。2日のイベントでは両日ともに参加する人もいるので、半分とは言わないものの、相当の人数が集まります。
コンサートなどの場合は返金に応じるか、別の機会に振り返られていますが、ウォーキング大会の場合には参加費は返金せずに、記念品などが後ほど送られてくるだけです。ウォーキングが儲かる仕組みというのは、ウォーキング大会の歩行距離を累積して地球一周分の4万kmに達すると表彰する制度があり、その証明をもらうために数百円を支払います。小銭であっても人数が多ければ、それなりの稼ぎになり、全国で数多くの大会があるので、しっかりとした収益になっているのに、これが入らなくなってしまうということです。