感染拡大から考える肥満の対応

新型コロナウイルスは感染リスクが高い人として基礎疾患がある人があげられています。その基礎疾患としては高血圧症、糖尿病、脂質異常症(高中性脂肪血症、高LDLコレステロール血症、低HDLコレステロール血症)ですが、以前に流行した新型インフルエンザのときにも基礎疾患のある人に対して注意がされていました。そのときには高血圧症、糖尿病、脂質異常症のほかに、肥満が含まれていましたが、今回は肥満がはずされています。
肥満の人は血圧が上昇しやすく、摂取エネルギー過多から血糖値や中性脂肪値、LDLコレステロール値が上昇しやすくなっています。血圧、血糖値、中性脂肪値、LDLコレステロール値が高い状態でなくても、太っているだけでリスクが高いということですが、今回は肥満をはずした理由は特に説明されていません。高血圧症、糖尿病、脂質異常症は外見では見抜くことはできないものの、肥満は一目瞭然なので、肥満はリスクが高いということになると、それだけで差別につながってしまうということが指摘されています。
新型コロナウイルスの感染防止のために個室、密室での会合は避けなければならない状況です。フィットネスジムには行かないように言われても、一人で運動をするのはいけないということではなくて、運動は免疫を強化して感染を防ぎ、もしも感染したとしても重症化しないようにすることにつながります。ウォーキングも集団で会話しながら歩くという状況でなければ、これも免疫強化に役立ちます。そして、筋肉運動も有酸素運動も肥満を防ぎ、肥満であった場合にも体脂肪を減らす効果があるので、新型コロナウイルス対策には有効となります。
肥満だからといって後ろ指を指されたり、仲間外れにされるようなことは、本人の責任ではなくて、社会的な問題であるということですが、太っているのは本人の責任で、これが感染症を拡げることになるということで、周囲の困った視線を避けることは、なかなかできないということにもなりかねません。