新型コロナウイルスは感染後に症状が出ないまま他の人に感染させることが恐れられていますが、感染者が増えて、感染ルートが突き止められるようになって、実は感染していても特徴的な症状が出ていない80%ほどの軽症者は感染させないことがわかってきました。となると約20%が感染を拡大させているということで、そこから出てきたのがクラスターという考えです。クラスターは集団のことで、集団感染ということでは感染クラスターと呼ぶのが正しいようです。
感染クラスターとして特に注目されているのはライブハウスです。狭い空間に密集して、音漏れ防止から換気も悪く、そこで身体を動かしたり声を出したりすることで濃厚感染の温床となっています。通常の濃厚感染というと、一対一の感染が想定されていますが、20%に相当する感染者が複数いると多くの人のウイルスが漂っていて、それが一度に入ってくると一気に増殖して、さらに飛散することにもなります。
感染クラスターが突き止められたときに、そこだけで止まっていればよかったのですが、ライブハウスから家庭に持ち込まれ、職場に持ち込まれ、そして何故かライブハウスでの濃厚感染者に医療や介護の関係者が多かったということから、医療関係者・介護関係者から地域住民に感染していっている状況では、どこに新たな感染クラスターがあるかわからない状態になっています。本来なら感染させない軽症感染者と、感染させる軽症感染者が見分けられれば、まだ対策が取れるのですが、その見分けがつかないのが大問題で、感染クラスターを介して拡まってからでないと危険な場所があることがわからないということで対策を難しくさせています。
医療機関が感染クラスターにならないようにするためには、ライブハウスのように医療機関を閉鎖するのが最良の策だとはいっても、感染症の場合には、それもできないということで、医療機関の安全性確保は今以上に求められているのです。