抗酸化作用のある健康食品素材について2回目の紹介です。
アントシアニンは紫色の抗酸化作用がある色素で、ブルーベリー、ビルベリー、アサイーベリー、ブドウなどに豊富に含まれています。アントシアニンは目の毛細血管、水晶体、網膜に届きやすく、眼精疲労などの軽減作用が認められています。また、強い抗酸化作用によって、目の老化抑制、目の血流の促進のほか、網膜の色素体である脳への信号物質であるロドプシンの再合成を促進して、視力を高める効果を高めることができます。その結果、酸化ストレスが原因となる緑内障の抑制、加齢性黄班変性症の抑制などの研究が進められています。
イチョウ葉エキスはイチョウの緑色の葉の抽出エキスで、30種類以上のフラボノイドが含まれ、フラボノイドには、強い抗酸化作用があります。医薬品との相互作用として、血液凝固抑制薬のアスピリンとの併用で、血小板の剥離が進み、血管からの出血も認められています。
ウコンはショウガ科の多年草で、アジア、アフリカ、中南米の熱帯から亜熱帯の高温多湿地域で自生しています。漢方薬の材料の「鬱金」として、根茎部が肝機能の向上のほか気血の流れを調整する生薬として古くから使われてきました。ウコンはカレーの黄色い色の香辛料のターメリックであると説明されますが、ウコンは3種類があり、ターメリックは秋ウコンです。春ウコンの正式名称は姜黄(キョウオウ)で、ウコンが正式名称となっているのは秋ウコンだけです。抗酸化作用があるウコンの有効成分のクルクミンは黄色の色素成分で、春ウコンのクルクミンの含有量は0.3%で黄色なのに対して、秋ウコンは3.6%と12倍の含有量でオレンジ色となっています。
カシスは北ヨーロッパからアジアの寒冷地に生育するユキノシタ科の潅木で、そのベリー類の実が使用されます。抗酸化作用がある青色色素のアントシアニンが豊富で、黒く見えるほどにポリフェノールが多く、その量はブルーベリーの3~4倍にも達しています。眼疲労の軽減、眼の毛様体筋の緊張の軽減による近視の抑制、眼の末梢血管の血流の促進などの作用があります。果実は原則的に原産地で生育したものに抗酸化成分が多く含まれますが、カシスは例外的に強い紫外線が注がれるニュージーランドで栽培されたもののほうがアントシアニンの含有量が多いことが確認されています。