新型コロナウイルスが広まってきたときに、対策の第一段階は地域の診療所(クリニック、医院)であり、そこで働く医師が感染しないことが重要だということが伝えられました。これは医師が感染して、医師から感染させてしまう院内感染を心配してのことでしたが、高齢者は免疫力が低下しているので注意が必要という報道もありました。地域の診療所では医師の高齢化は進んでいて、医師の平均年齢は49.6歳となっています。これは都市部の大病院も含めた全体の平均年齢であって、診療所の医師の平均年齢は59.6歳と10歳も高くなっています。
65歳以上の高齢者の医師の割合は31.84%となっていて、国民全体の高齢化率の28.4%よりも、なかり高くなっています。しかも80歳以上の医師が7%ほどもいるという驚くべき実態となっています。以前に老老介護という言葉があって、今後は高齢者が高齢者の介護をする時代がくると言われていたのが、これが今では現実となっています。これからは老老医療となる時代が目前に迫っているということです。
これほど高齢化しているとなると、医師が感染症になって、それが広がっていく感染クラスターとしての院内感染の不安も高まってきます。高齢の医師は、自らが感染しないように消毒を徹底して、免疫を高めるように注意をすることになるのでしょうが、免疫力が高い人の体内に入ったウイルスは、それに対抗して強くなって生き残ろうとするために、ウイルスが変異することにもなります。特に新型コロナウイルスは変異しやすく、これまでのようにインフルエンザの変化したものという考えでは対応できないと言われています。
普通の免疫強化では対応できない時代になってきたということで、免疫細胞の活動を高める根本的な対応が必要です。その方法として考えられているのが、免疫細胞の白血球が内部で作り出すエネルギーを増やして免疫を強化するという方法です。これについては次の機会に紹介します。