新型コロナウイルスの感染拡大から特に気をつけなければならないこととして、免疫の強化が言われるようになりました。免疫は敵と味方を区別して、身体に害をなす外敵だけを攻撃して排除する能力のことを指しています。その免疫を司っているのは、免疫細胞の白血球とリンパ球です。白血球は外敵を取り込んで処理するもので、リンパ球は攻撃するための抗体を作り出したり、直接的に攻撃をしています。リンパ球のほうが攻撃力は強いものの、白血球のマクロファージから、どんな外敵が、どれくらいの数いるのかという情報を受け取らないと積極的に活動することができません。白血球を活性化させることが免疫強化には重要となるのです。
人間の全身の細胞は、細胞の中でブドウ糖をエネルギー源として使って、エネルギー物質のATP(アデノシン三リン酸)を作り出しています。この仕組みは身体を構成する細胞だけでなく、免疫細胞の白血球も同様です。白血球の中でATPを作り出すためには、代謝促進成分が必要で、その役割をしているのはコエンザイムQ10です。
コエンザイムQ10というと、抗酸化成分、美容成分、ダイエット成分として知られていますが、細胞の中にあるエネルギー産生器官のミトコンドリアのTCA回路で補酵素として使われています。細胞の中で生化学反応を起こす酵素は、補酵素が補われることによって酵素本来の働きをすることができます。
コエンザイムQ10は今でこそサプリメント成分として知られていますが、以前は医薬品の成分としてしか使うことができませんでした。それが2001年に食品の成分として使うことが許可されています。摂取のタイミングですが、コエンザイムQ10は脂溶性成分で、脂肪に溶けないと吸収されないので、胃の中に食べ物が入っていない空腹時に摂ったのでは吸収されずに素通りしてしまいます。摂取するなら食事をしたあとということになります。