新型コロナウイルスは感染しても症状が現れないと、感染しているのかどうかもわかりません。検査をしてもウイルスの量が少ないと陰性となってしまうので、実際には自分の身体の中に新型コロナウイルスが潜んでいて、いつウイルスが増殖するかわからないという状態になっているかもしれません。そんなことはないだろう、と簡単に考えるのではなくて、自分も感染者であるという意識をもって、周囲に感染させないために体内に抑え込むことを考えるべきです。抑え込むためには、ウイルスと闘う免疫力を高めることが第一になります。
免疫は身体にとって敵と味方を判別して、外敵だけを攻撃することを指しています。その能力が免疫力です。免疫を司っているのは免疫細胞の白血球とリンパ球で、白血球は外敵を取り込んで処理して対応しています。これでは対応できない場合にはリンパ球が働いて、直接的に攻撃を始めます。リンパ球のB細胞は抗体を作り出して攻撃します。免疫は砲弾、銃弾のように考えることができます。T細胞はミサイルのように直接的な攻撃をします。白血球は骨髄で作られます。リンパ球は骨髄で作られたあとに胸腺で成熟していきます。
胸腺の働きは40歳ころまでは盛んですが、それを過ぎるとリンパ球の成熟が低下していきます。その後は免疫の中心は胸腺から腸管に移ります。腸管にはパイエル板という白血球とリンパ球が集まっている免疫のセンターが多数あって、パイエル板で外敵をキャッチすると、どんな外敵が、どれくらいやってきたのかの情報を白血球のマクロファージがサイトカインという伝達物質によってリンパ球に伝えます。これによって外敵に適したリンパ球が働いて、免疫が保たれることになるのです。
この働きは腸管免疫と呼ばれています。腸管免疫を的確に働かせるためには、まずはパイエル板が外敵を捉えることで、そのためには腸壁が汚れていないことが必要になります。腸壁が汚れる最大の原因は便通が悪いことです。ということで、免疫を高めて新型コロナウイルスを抑え込むためには、便通をよくすることが重要になるということです。