新型コロナウイルスの感染拡大によって、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校が一斉休校になり、家庭で昼も過ごす子どもの食事が大きな問題となりました。子どもの食事のために、母親(だけでなく父親も)が家庭にいる時間を長くしたために仕事に出ることができなくなったり、働く時間が短くなるということになりました、また、仕事を休まないまでも昼食の弁当などを作るための時間が必要になる、早く仕事を切り上げて帰ることで働く時間が短くなるということになって、仕事に支障が出るだけでなくて、子どもが食べる食事にも影響が出るようになっています。
学校給食は、平日の場合には1日に摂るべき子どもの栄養摂取量の半分近くを摂ることができています。1日に3食をたべるということから考えると、1日に摂取すべき栄養素の3分の1が摂れるという状態であるように感じるかもしれませんが、家庭の朝食は簡単な内容で、夕食が多めであるという状況もあって、1食当たりが3分の1の状態ではないということは以前から言われてきていました。
学校給食による栄養摂取の割合を、実際に学校栄養士が調査したところ、1日の栄養摂取量に占める割合には差があったものの、昼食に当たる学校給食がなければ栄養摂取が不足していることが確認されました。
その重要な栄養摂取の機会である学校給食がなくなり、それを家庭で補うということになると、普段の朝食と夕食で摂っている食事よりも、栄養摂取量が多いことが期待されます。期待はされているものの、実際に昼食で食材が多く、栄養が豊富な内容のものにすることとなると、期待に応えることは難しいことが当然のように想像されます。
充分な栄養補給のための食事を食べさせることに自信がない母親から、サプリメントの使用について相談された栄養士やサプリメントアドバイザーなどは多く、私たちも同様の相談を何度となくされています。サプリメントを使うことなく、子どもの栄養補給を完璧なものにできるような昼食を、すべての母親(父親や祖父母も)が作れればよいのですが、そうはいかない事情であるのは充分に承知していることです。