自閉症のある子どもの施設の支援体制

文部科学省の「初めての通級による指導を担当する教師のためのガイド」には発達障害に関する部分があり、自閉症のある子どもの指導に当たって、支援体制を示しています。
支援体制は、専門性のある指導体制の整備として、自閉症や情緒障害を充分に理解した専門家からの支援や、特別支援学校のセンター的機能、自閉症・情緒障害特別支援学級、医療機関などの専門性を積極的に活用して、自閉症などの特性について理解を深められるようにするとしています。
子ども、教職員、保護者、地域の理解啓発を図るための配慮として、他者からの働きかけを適切に受け止められないことがあることや言葉の理解が充分ではないことがあること、方法や手順に独特なこだわりがあることなどについて、周囲の子どもや教職員、保護者への理解啓発に努めることとしています。
災害時などの支援体制の整備として、自閉症や情緒障害のある子どもは、災害時の環境の変化に適応することが難しく、極度に混乱した心理状態やパニックに陥ることを想定した支援体制を整備することとしています。
施設・設備は、校内環境のバリアフリー化として、自閉症の特性を考慮して、備品などをわかりやすく配置したり、導線や目的の場所が視覚的に理解できるようにしたりすることしています。
発達、障害の状態、特性などに応じた指導ができる施設・設備の配慮として、衝動的な行動による怪我などが見られることから、安全性を確保した校内環境を整備するとしています。また、興奮が収まらない場合を想定して、クールダウンなどのための場所を確保するとともに、必要に応じて自閉症特有の感覚(明るさやちらつきへの過敏性など)を踏まえた校内環境を整備するとしています。
災害時などへの対応に必要な施設・設備の配慮として、災害などの発生後における環境の変化に対応できないことによる心理状態(パニックなど)を想定して、外部からの刺激を制限できるような避難場所、施設・設備を整備することとしています。