健康維持のために食べたい食品として「まごわやさしい」を前に紹介しました。復習をしておくと、「ま」は豆、「ご」はごま(種)、「わ」はわかめ(海藻)、「や」は野菜、「さ」は魚、「し」はしいたけ(きのこ類)、「い」は芋(根菜類)を指しています。不足しやすい食品で、手間がかかるので、どうしても料理として出る機会が少なくなるのは仕方がありません。外食では出にくいので、家庭で食べる料理に使ってほしい食品としてもあげられています。
「まごわやさしい」だけでは不足しているというので、最近では「たち」が加えられて、「まごたちわやさしい」が言われるようになっています。「た」は卵、「ち」は乳で、牛乳や乳製品を指しています。卵も乳製品も重要なたんぱく源で、乳製品は腸内環境を整えるためにも必要です。腸内環境ということでは善玉菌を増やすものとして食物繊維があげられていて、豆、種、根菜類には不溶性食物繊維、海藻、きのこ類には水溶性食物繊維が豊富に含まれています。
さらに「に」を加えて、「まごたちにわやさしい」も使われるようになっています。ここで加えられた「に」は肉のことです。肉も魚も豆も卵も乳製品もたんぱく質が多く含まれていて、最近では「高齢者は肉を食べろ」と言われるようになってきていて、高齢になったら健康維持のためにたんぱく質を積極的に摂ることがすすめられています。肉は象徴的に言われていることで、肉に多い飽和脂肪酸が増えると動脈硬化のリスクが高まることから、魚に多い不飽和脂肪酸を増やして、そのリスクを低くすることも大切です。
おかずは多くの種類を食べることが大切で、これを示すために「御加数」という言葉も使われています。今では使われなくなった「1日30食品」という標語も、御加数という考え方をすると、数字には賛否があるところですが、見直してもよいのではないかと思います。免疫を高めることを考えたら、「まごたちにわやさしい」を採用して、できるだけ多くの種類を食べるように呼びかけることも必要だと認識しています。