インターバルウォーキングのプログラム

全般的な健康維持のウォーキングのために、厚生労働省の「健康づくりのための身体活動基準2013」で定められた基準を達成するための実践の手立てとして国民向けガイドライン「アクティブガイド」が示され、その中で「+10(プラステン):今より10分多く体を動かそう」がメインメッセージとして掲げられています。+10の実施によるメタ解析(複数の臨床研究の統計解析)では、死亡のリスクが2.8%低下、生活習慣病発症が3.6%低下、がん発症が3.2%低下、ロコモ・認知症の発症が8.8%低下の可能性があり、減量効果としては1年間の継続で1.5〜2.0kg減の効果があることが確認されています。
生活習慣病やメタボリックシンドローム、ロコモティブインドロームの予防・改善、認知機能向上などの個人の要望に即したインターバルウォーキングを実践するためには、それぞれの目的に適した運動プログラムを提供することが必要となりますが、それに加えて、各人の年齢や身体状況、体調などに合わせたプログラム実施も必要となります。
有酸素運動と無酸素運動を交互に行うインターバルトレーニングのうち、サーキットトレーニングは30秒間ずつ繰り返すことを基本としています。30秒間としているのは無酸素運動では30秒間を超えると疲労物質の乳酸が増えるため、30秒間で無酸素運動を終えて、乳酸の発生が少ない有酸素運動に切り替えるとしています。これはショートインターバルトレーニングと呼ばれていますが、これよりも長い時間の無酸素運動を行うことによって乳酸が多くなっても、その後に長めの有酸素運動を行うことによって乳酸をエネルギー源として使うことができます。その特性を活かして、ミドルインターバルウォーキングを実施する場合には有酸素運動と無酸素運動のプログラムを設け、それに従った速度と負荷を調整するアクティブウォーキングを実施しています。
一般には、通常歩行20分、中強度歩行10分、通常歩行20分、中強度歩行10分、通常歩行20分を1セットとして、体力や経験などに合わせて通常歩行の時間を調整しています。10分間の中強度歩行が負担となる場合には、通常歩行10分、中強度歩行5分、通常歩行10分、中強度歩行5分、通常歩行10分を1セットとして1日に2セットを行うこととしています。
乳酸はエネルギー源の糖が不完全燃焼した結果として発生しますが、乳酸はブドウ糖が変化したものであり、有酸素運動によって代謝させることができます。この乳酸を減らした分だけエネルギー物質が多く作られるようになり、それが活動や体熱などのエネルギーとなっていきます。これが健康づくりの大きなサポートとなります。