歩いて筋肉を増やすと体内の水分量が増える

血液サラサラは健康維持には重要で、運動をして血流をよくしようと思っても、血液中の水分が不足していると、なかなかサラサラにはなってくれません。運動をすると汗が出て、血液中の水分が減ることになるので、ウォーキングをするときには水分補給が必要になります。
前に体内の水分量は、子どもでは約70%、成人では60〜65%、高齢者では50〜55%ということを説明しましたが、年齢を重ねていくと水分量が減っていくのは筋肉の分量が減ることが、まずはあげられます。筋肉は体内の貯水池と呼ばれることがあるように、その水分量は75%以上となっています。筋肉量を測定することができる体組成計は水分率を測定して、筋肉の割合を予測しています。
筋肉の割合が年齢を重ねると減っていきますが、それは運動量が不足するだけでなく、同じだけの運動をしても筋肉がつきにくくなるからです。筋肉は運動によって傷つくと、それを修復するために筋繊維(筋肉細胞)の周囲にサテライト(衛星)細胞が作られます。このサテライト細胞が筋繊維に付着して修復によって筋肉が増えていきます。高齢者はサテライト細胞ができにくくなるために、どうしても筋肉量が減り、筋肉に保持される水分も減っていくのです。
高齢者は筋肉が不足することによって、筋肉の中で作られる代謝水も減っていきます。細胞の中のミトコンドリアで代謝によって発生する水は1日に250〜300mlもあり、運動をしたときには400mlにもなります。多く発生されると排出される水も増えていくのですが、体内の水分が不足しているときには補われて、血液のサラサラの状態が保たれやすくなります。代謝を促進するためにはビタミンB群のビタミンB₁、ビタミンB₂、ビタミンB₆、ビタミンB₁₂が揃っている必要があります。
加齢によって代謝が低下するのは、代謝促進成分のα‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10が減っていくことも指摘されています。これは体内で合成されているのですが、そのピークは20歳代で、年齢を重ねるほど減っていくので、サプリメントの摂取がすすめられることにもなります。