文部科学省の「初めての通級による指導を担当する教師のためのガイド」には発達障害に関する部分があり、学習障害がある子どもに必要な指導内容について紹介します。
(1)指示を理解するための指導
指示が理解できない場合には、注意が集中できないのか、聞いただけでは理解できないのかなど、その要因を明らかにした上で、視覚的な補助、復唱、聴写などをするなどの指導方法を組み合わせ、指示を理解する能力の改善を図るようにします。
(2)筋道立てて話すための指導
伝えたいことを相手にうまく伝えられない場合には、その要因を明らかにした上で、絵を見て話したり、「いつ」「どこで」「誰が」「何を」「どうする」などの項目に沿って話したりするなどの指導を行います。
(3)文字や文章を音読する能力を高めるための指導
音読が苦手な場合には、聴覚的処理(文字を音声などに変換すること)に困難がある場合と、視覚的処理(視覚的な情報をとらえること)に困難がある場合があります。聴覚的処理に困難がある場合には、「がっこう」を「◯◯◯◯」ととらえられるようにするなど、音を視覚的にとらえる指導や支援機器を使って音声教材を繰り返し聞くなどの指導を行います。また、視覚的処理に困難がある場合には、文字単位ではなく、そのまとまりである単語全体としてとらえられるようにする指導や文字を拡大したり、行間を広げたりすることができるような教材を使っての指導を行います。
(4)文字や文章を読み理解する能力を高めるための指導
読解が苦手な場合には、文章の内容の把握ができているか、文章の指示語の理解ができているか、説明文と物語文のどちらの読解が苦手かなど、そのつまずきのレベルや要因を明らかにした上で、文章や段落ごとの関係を図示する、重要な箇所に印をつけるなどの指導を通じ、読解のための手段を身につけられるようにします。