新型コロナウイルスは戦って抑え込んで終息させるものという認識から、感染拡大までは進まない状態で少しは感染者がいるという収束を目指して活動するということに世の中の動きが変化しました。高齢者は感染しやすく、生活習慣病の人も感染しやすく、ということで高齢で生活習慣病がある人の場合には特に感染しやすくなっています。
新型コロナウイルスが存在する社会で、3密を避けながら健康づくりのための活動をするのは大変なことで、その中でも生活習慣病がある高齢者を対象とした運動は少人数で実施するか、大人数の場合には相当の距離をとって実施するかが求められます。そこで3密の密閉を避けようと外で実施する運動が検討されたのですが、暑い季節には外での運動は危険になります。さらに外でもマスクをつけることが求められるとなると、夏場に高齢者が外で運動することは難しく、責任を取ることが大変な自治体や公共団体は積極的にすすめようというわけにはいかなくなります。
外での運動、高齢者というキーワードでは、ウォーキングを思い浮かべます。健康づくりのために日々、自由に歩くということは問題はなくても、大人数が集まって同じコースを歩くというウォーキング大会となると、収束するまでは自治体が関わっている大会は中止となっています。完全に終息しないと再会は難しいとしている自治体もあります。
そんな中、少人数でマスクをつけて、しかも暑い中を歩いたら、どんなことが身体に起こるのかということを実験しておこうということになり、その第一弾として30℃超えをした晴天の日の昼間に、65〜70歳の男女がマスク装着で1時間のウォーキングを行いました。暑い中をマスクをつけて歩くと、体温が上昇していても喉が乾きにくく、水分不足のために熱中症のリスクが高まります。その感覚を知って、今後のウォーキングの指導に役立てようということでの実験でした。
非接触のデジタル体温計で歩行途中に測定すると37℃を超える人が続出で、新型コロナウイルス感染の基準とされた37.5℃に達する人もいました。ウォーキング後のミーティングは菓子を買うとお茶が飲み放題の店にしたのですが、入店にあたって体温測定されることがわかっていたので、ウォーキングの最後に測定して37.5℃を超えた人はクールダウンしてから入店しました。
マスクをしての運動の危険性を確認して、今後は、どう安全策を取っていくかの検討事項は、多くの運動関係者、健康担当者に役立てられるものと考えています。