ウォーキングの効果を高める入浴のタイミング

ウォーキングというと、有酸素運動であることから脂肪燃焼に効果があることが知られています。筋繊維(筋肉細胞)には脂肪分解酵素のリパーゼがあり、リパーゼが活性化することによって脂肪(中性脂肪)が分解して脂肪酸となります。これによって燃焼しやすくなるのですが、リパーゼは温度が高まることによって活性化します。ウォーキングを始めて脂肪燃焼が盛んになるまでには10〜15分がかかりますが、これはリパーゼの活性と関係しています。
リパーゼが活性化する温度帯は決まっていて、温度が高まりすぎると活性度が低下します。ウォーキングのあとに入浴をすると筋繊維が温まりすぎて、リパーゼの活性が低下します。リパーゼが活性した状態だと、運動後にも30分ほどは筋繊維が温まっている間は、脂肪分解が進んでいて、脂肪燃焼も進んでいます。この30分の時間のうちに入浴をして筋繊維が温まると、せっかくの運動をしないのに脂肪が燃焼をしているチャンスが失われることになります。
このために、運動後の入浴は30分以降とします。入浴では筋繊維は温まりすぎてしまいますが、シャワーでは熱めの温度であっても筋繊維を温めるところまでは進みません。だから、運動直後はシャワーで汗を流すことをすすめています。
日本メディカルダイエット支援機構では、これまでメディカルダイエットの一環として早歩きと普通歩行を交互に繰り返すインターバルウォーキングを実践してきました。早歩きの無酸素運動では酸素不足になることから筋繊維に多くの酸素が送られるようになります。その状態で普通歩行の有酸素運動をすると、多くの酸素を使って、エネルギー代謝が盛んになります。全身の細胞の中にあるミトコンドリアでは、脂肪酸が変化したアセチルAoCが次々と別の酸に変化して、サイクルを一周するとエネルギー物質のATP(アデノシン三リン酸)が作られます。そのときに酸素が必要になるため、充分な酸素を供給することが重要になります。
体内で発生したエネルギーの約70%は体熱に使われるので、酸素を充分に取り込んで、多くのエネルギーを作り出すウォーキングはリパーゼを活性化させて、さらにエネルギー代謝を高めていくために有効になるということです。