発達障害の特徴について、「発達障害者支援ハンドブック2020」で解説とともに問題点が指摘されています。学習障害の併存性と二次障害について紹介します。
学習障害がある子どもは、注意欠如・多動性障害や自閉症スペクトラム障害を合併することがあります。落ち着きがなかったり、友達とのトラブルを起こすタイプの注意欠如・多動性障害や自閉症スペクトラム障害であれば目立つことから、教師や保護者も気がつきます。しかし、不注意が主な症状であったり、友達との葛藤があっても言動に出さないタイプだと、学習障害だけに目が奪われることがあります。学習障害は学校の問題と捉えられがちですが、診断と治療が必要な場合もあります。
学習障害の二次的な不適応ですが、学習障害がある子どもはいくら頑張ってもうまく読めるようにならない、書けるようにならない、計算が上達しないことが自分でわかります。そのためにイライラしたり、学習への意欲をなくしがちです。宿題を終えることができないことから、中には登校のしぶりや不登校になることもあります。学習障害のタイプに応じた学び方を工夫して、二次的な不適応を未然に防ぐことが大切になります。
学習障害がある子どもは学校教育においては特別支援教育の対象となっています。通級指導教室での個別的な学習の支援や合理的配慮による支援を得ながら、通常の学級で学ぶことが基本となります。教科書の内容をパソコンに取り込んで、読み上げ機能を使って聞いて理解する方法や、黒板に書かれている文字を写す代わりにデジタル写真を撮るなどの方法があります。
医療的な支援ですが、学習障害に対する診断と治療は進んでいます。読字障害については診断と治療によって症状が緩和されることが期待できます。書字障害や算数障害については、まだ明確な診断基準がないのが現状です。
親の支援も大切で、やればできると考えて、過大な負荷をかけがちです。ただ頑張ればよいというものではなく、専門家の意見を参考にしながら、家族で明るく、楽しく、元気よく、その子に合った工夫をすることが大切です。