三大発達障害の他の発達障害

発達障害の特徴について、「発達障害者支援ハンドブック2020」で解説とともに問題点が指摘されています。三大発達障害以外の発達障害について紹介します。
発達障害というと自閉症スペクトラム障害、注意欠如・多動性障害、学習障害が目立っていますが、この他にもチック障害、吃音、発達性協調運動障害なども増えてきています。
チック障害は何らかの形のチックが反復して見られる症候群のことを指しています。チックは素早い反復性の運動や発声のことで、意図せずに突発的に起こります。運動チックと音声チックがあり、運動チックでは、まばたき、顔をしかめる、首を急速に振る、肩をすくめるなどが比較的よく見られます。音声チックでは、咳をする、鼻鳴らしなどが比較的よく見られ、時には奇声を発する、さらには不適切な言葉を口走る(汚言症)こともあります。
多種類の運動チックと1つ以上の音声チックが1年以上にわたって続く重篤なチック障害は、トゥレット症と診断されます。
チック障害は、通常は幼児、児童、思春期に発症します。重症度には幅があり、小児の5〜10人に1人が一時的にチックを呈すると言われています。チック障害と診断される場合でも、多くの場合は成人するまでに軽快する方向に向かうと言われています。
吃音は一般的には「どもる」とも言われる話し方の障害です。なめらかに話すことが年齢や言語能力に比べて不相応に困難な状態で、単音や単語の一部を繰り返す、話し始めに口ごもる、話のリズムが乱れるなどの症状がみられます。
こうした症状は幼児期に出始めることがほとんどですが、中には思春期ころから目立つようになる場合もあります。幼児期から症状が出た人の過半数は学童期あるいは成人するまでに症状が消失したり軽くなったりしますが、成人後も持続する場合があります。