免疫を獲得すれば、そのあとは同じ感染症にはかからない、と長らく言われてきました。そのために感染症に打ち勝つための方法として集団免疫ということが言われるようになりました。国民の多くが感染して免疫を獲得すれば、その国は感染症を克服したことになるというわけです。しかし、新型コロナウイルスには通用しなくて、国民的集団免疫を目指した対策をしたために、感染拡大を招いてしまった国もあります。
免疫は同じ感染症にかからないために身体に備わった防御システムとはいっても、その感染症が変異しないことが最低限の条件となっています。まったく姿を変えないので、その病原菌を攻撃する武器が通用するわけで、武器が通じないように変化したのに前と変わらない武器を使っていたら攻撃が通じないことになります。新型コロナウイルスは発見された当時から複数のタイプがあることがわかっていて、その後も新タイプが発見されています。今後も環境や条件、民族などによって変異していくとなると、免疫獲得のための身体的な挑戦は継続させなければならないということで完全に安心できるまでには相当の期間がかかることになります。
この期間を乗り切るためには、新型コロナウイルスの感染リスクを少しでも下げるために、空間衛生を徹底させることが重要になります。現状では次亜塩素酸水に効果があることがわかり、一定の濃度で一定の時間をかけて噴霧すれば新型コロナウイルスを退治することができるようになります。一時期、次亜塩素酸水に効果がないという発表が公的機関からあったのは、条件をクリアしていない装置があったからです。
抗ウイルス作用がある銀イオンを用いた塗料も開発され、3年間も効果が保持されることがわかって、次亜塩素酸水よりもよいのではないか、という話が湧き上がったこともあります。しかし、建物や交通機関の中だけを抗ウイルス状態にしても、そこに新型コロナウイルスを持ち込んだ人から即座に感染することを考えると、銀イオンと次亜塩素酸水の両方を使って感染リスクを低下させることが重要だということがわかります。