発達障害と関連がある不登校

発達障害の特徴について、「発達障害者支援ハンドブック2020」で解説とともに問題点が指摘されています。発達障害と関連性がある社会現象の中から不登校について紹介します。
不登校は一部の子どもだけの問題ではなく、多くの子どもたちが不登校となる可能性があります。習うこと、競うこと、試みられることを集団で行うのは子どもたちにとってストレスが高い状況です。人が生きていくためには、ある程度のレベルのストレスは必要です。学校は子どもたちが自立していくために必要なことを学ぶ貴重なシステムで、うまく利用するのは得策となります。しかし、ストレスが大きすぎる子どもたちがいる事実を認めることができて、初めて、すべての子どもたちのためのシステムということができます。
発達障害がある子どもは、習得の仕方に特色があったり、集団行動に困難があったり、学校で与えられる刺激に過剰に反応したりという特徴があるため、日常的な学級の場がストレスとなる度合いが、提携発達の子どもよりも、かなり高くなる可能性があります。このような形で学校の場が高ストレスであることに対する生理的な反応が、身体症状などから始まる不登校状態です。
ところが、こうした原因以外の、さまざまなタイプの不登校が混在するようになっています。例えば、学童期にして「学校など行っても無駄だ」と考えるようになる子どもがいます。また、乗り越えるべき課題のすべてを「面倒だからしない」「どうせやっても仕方ない」と言って回避する子どももいます。いずれの場合も、社会に出るために必要な課題を与えてくれる場としての学校という、現実的な状況理解ができにくく、現実の自分に即した自尊感情が育ちにくいように見えます。
このような問題は、発達障害がある子どもに、その特性が表現されたものである場合もあり、望ましくない育ちの環境の影響で身についてしまう場合もあります。登校できていないという現象のみに目を奪われずに、その子どもの置かれた状況を深く理解することから始める対応が必要です。