ウコンは肝臓の働きをよくしてくれるのか

肝臓に効果があるサプリメントといえばウコンとオルニチンが双璧とされています。メインのウコンについては後で説明しますが、オルニチンはシジミに含まれるアミノ酸成分で、アンモニアを尿素に変換する肝臓の尿素回路を正常に働かせることが知られています。オルニチンが重要な働きをすることからオルニチン回路とも呼ばれています。オルニチンのサプリメントに「シジミ◯個分」と書かれているとシジミを凝縮して作られたのかと思うかもしれませんが、実際にはアミノ酸のオルニチンを使っていて、シジミに換算したら◯個分ということでしかありません。
本題のウコンですが、ウコンは漢字では鬱金と書かれる漢方薬の成分です。原材料はショウガ科ウコン属の多年草で、原産国のインドのほかに東南アジア各国で栽培されています。薬は肝臓に負担をかけるといっても、漢方薬なら大丈夫と考えるかもしれませんが、薬は薬です。漢方薬でも肝臓に負担をかけるのは当然のことです。
鬱金と書かれるのはターメリックとも呼ばれる秋ウコンで、このほかに春ウコンと紫ウコンがあります。ウコンの有効成分はクルクミンという抗酸化成分ですが、秋ウコンは切り口がオレンジ色で、黄色の春ウコンに比べるとクルクミンは10〜12倍も多く含まれています。紫ウコンにはクルクミンは含まれていないのですが、精油成分が多く、これには胃を保護する働きがあります。精油成分は春ウコンにも含まれています。肝臓のためには秋ウコン、胃のためには紫ウコン、両方の効果を求めるなら春ウコンということになります。
クルクミンはアルコールを分解する作用が高くて、アルコールが分解されて変化するアセトアルデヒドの分解作用もあります。アセトアルデヒドは悪酔いの原因物質でもあり、飲酒をする人にはクルクミンは有効といえます。ところが、クルクミンは肝臓を丈夫にする、元気にするという思い込みから、飲酒をしないのにウコンを摂っている人もいます。この場合には薬を摂っているのと同じことになり、かえって肝臓に負担をかける結果になってしまうのです。
ウコンの概要については、このサイトの「サプリメント事典」を参照してください。