健康食品に、もしも医薬品と同じような効能効果があったとしても、法律(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)によって表示することが規制されています。以前は一切の効能効果は述べられなかったというか、どこに作用するものなのかということさえ述べることはできませんでした。ところが、特定保健用食品(トクホ)、機能性表示食品が登場して、身体のどこに、どんな仕組みで作用するのかは表示できるようになりました。例えば、ブドウ糖の分解を遅らせること、吸収を遅らせることで血糖値の上昇を抑制するということは述べられるようになりました。
糖尿病は血糖値が上昇することで発症する病気ですが、「血糖値の上昇抑制=糖尿病の予防」ということは述べることはできません。予防もダメなのだから改善や治療効果も述べることは、もっとダメということになります。トクホであろうと機能性表示食品であろうと医薬品と同じ、もしくは医薬品と勘違いさせるような表示をすることはできないのです。
健康食品の中には、医薬品と同じメカニズムで作用するものがあります。これも血糖値の上昇に関わることですが、医薬品には糖質がブドウ糖に分解されるのを抑えるものがあり、分解が遅くなることによって血糖値の上昇が抑えられます。分解されたブドウ糖の吸収を抑える作用がある医薬品は今のところありません。ブドウ糖は膵臓から分泌されるホルモンのインスリンを増やす作用があり、これを抑える医薬品もあります。肝臓でブドウ糖の一部はグリコーゲンに合成されますが、これを進めてブドウ糖の量を減らす医薬品もあります。また、血液中のブドウ糖を多く尿に排出させる医薬品もあります。
医薬品にないブドウ糖の吸収を抑える作用は、健康食品の成分にはあります。それはギムネマ・シルベスタという成分で、これについては、このサイトの「サプリメント事典」で、簡単に説明しています。医薬品を使っていても、健康食品を活用したいというなら、医薬品にはない機能を持っているものを使うことが考えられます。使っている医薬品と同じ機能の健康食品を使っても、あまり効果がないことになります。もしも効果のある健康食品であった場合には、医薬品との相互作用で効きすぎてしまい、低血糖になるという危険性もあることになります。