健康食品は効能効果を表示して販売することはできないのが原則ですが、例外として認められているのが特定保健用食品と機能性表示食品です。その機能性表示食品として、初めて免疫を活性する機能を表示して販売が許可されたのがキリンのプラズマ乳酸菌です。プラズマ乳酸菌には免疫細胞のリンパ球のうちT細胞のキラー細胞とナチュラルキラー細胞の働きを調整するpDC(プラズマサイトイド樹状細胞)を活性化させる働きがあることが知られていて、ウイルス感染対策にも有効とされています。
キリンの研究によって、プラズマ乳酸菌が多くの細菌やウイルスの侵入を防ぎ、インフルエンザワクチン接種群で、より効果を示す可能性が判明しています。また、異物が侵入するルートの唾液、腸管鼻腔などの粘膜部分で、さまざまな種類の病原体に反応して、細菌やウイルスの侵入を防ぐ免疫グロブリンAの発現にもpDCが関わっていることが明らかにされています。
プラズマ乳酸菌を摂取した人では、IFN−α(インターフェロンα)の産生量を維持することも判明しています。IFN−αが多く産生されれば、ワクチンが効きにくい人でも、その効果を高めることから、より強い免疫が期待されています。また、プラズマ乳酸菌摂取群の中で、インフルエンザワクチンの接種歴がある被験者では、インフルエンザワクチン非接種群と比べて、インフルエンザウイルス抵抗性遺伝子の発現量の維持効果が顕著に認められています。ヒト試験では、プラズマ乳酸菌接種群に1日当たりプラズマ乳酸菌1000億個(50mg相当)入りカプセルを継続的に投与したところ、最短2週間で血液中の免疫パラメーターで有意な差が認められています。
免疫系は自然免疫と獲得免疫があり、自然免疫は白血球やナチュラルキラー細胞の働きが中心で、獲得免疫はリンパ球のB細胞やT細胞が中心となります。免疫パラメーターは、これらの免疫細胞から放出される生理活性を持つ分子の総称で、血液中濃度は免疫系の活性を知る指標となっています。