フルーツはミネラルのほか、有用な成分の重要な摂取源となっています。
カリウムは、ナトリウムの排泄を促進して血圧を低下させ、血管の疾患を予防する効果があります。煮ると溶け出しやすく、野菜では約30%が失われます。生で食べられるフルーツからは摂りやすくなっています。特に多く含むフルーツとしては、くり、バナナ、メロン、キウイフルーツ、さくらんぼ、柑橘類があげられ、フルーツ全般に比較的多く含まれています。
食物繊維は、便通の促進、糖質や脂質の吸収抑制、腸内細菌の善玉菌の増加促進などの作用があります。フルーツに多い水溶性食物繊維のペクチンは特に脂質の吸収抑制の作用があり、便を軟らかくして便通を促進します。不溶性食物繊維のセルロースには腸壁を刺激して便通を促進する作用があります。特に多く含むフルーツとしては、くり、キウイフルーツ、西洋なし、かき、すもも、びわ、りんご、柑橘類、パインアップル、いちごがあげられます。
有機酸は、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸などがあり、フルーツの酸味を生み出しています。有機酸にはミネラルの鉄の吸収を高める作用があります。クエン酸は糖質と脂質のエネルギー代謝を促進する成分となっています。特に多く含むフルーツとしては、レモン、うめ、あんず、柑橘類、キウイフルーツ、すももがあげられます。
ポリフェノールは、フルーツの色素や苦み、渋みの成分で、フラボノイド類、カテキン類などがあり、活性酸素を消去し、生活習慣病を予防する作用があります。フラボノイド類(アントシアニン類、フラボン類、ヘスペリジン類など)は柑橘類に多く、抗酸化作用とビタミンCによって毛細血管を丈夫にして血流を盛んにする作用があります。カテキン類は多くのフルーツに含まれ、抗菌作用や血圧の安定、抗酸化作用による動脈硬化予防の効果もあります。ポリフェノールは色鮮やかなフルーツ全般に含まれています。