フルーツの健康効果を凝縮させたものが乾燥させて多くの水分を抜いたドライフルーツで、生のフルーツと大きく違っているところがあります。それは皮ごと乾燥させて、皮に含まれている栄養素まで摂ることができることです。
フルーツに含まれる水分は、乾燥させると蒸発する自由水と、たんぱく質と結びついている結合水があり、ドライフルーツの中に残っているのは結合水となっています。フルーツには80〜90%の水分が含まれていますが、結合水の量はフルーツによって違っていて、レーズンやプルーンは乾燥させても水分量が比較的多く、食感も軟らかくなっています。マンゴーやバナナチップは硬めの感触で、これは結合水が少ないことと関係しています。
ドライフルーツにすることで腐りにくくなり、保存性が高まりますが、水分量が多いプルーンなどは保存期間が3か月間と短く、水分量が少ないマンゴーなどは6か月間となっています。ドライフルーツはフルーツの80〜90%も含まれる水分が抜けて、栄養と共にエネルギーも凝縮されているので、食べすぎには注意すべきです。
ドライフルーツはフルーツの水分が乾燥によって抜けている分だけ、重量当たりのエネルギー量は高くなっています。ドライフルーツの代表ともいえるプルーンは100g当たり237kcalと同じ重量のショートケーキ(344kcal)の70%ほどとなっています。ドライフルーツの中でもエネルギー量が高いパパイヤ(349kcal)やマンゴー(368kcal)はショートケーキを超えています。
ドライフルーツにするためにフルーツを乾燥させると水分が抜けすぎてパサパサの状態になりやすくなります。水分が多いフルーツほど水分が抜けると固くなって食べにくくなります。フルーツには甘みがあり、ドライフルーツにすると甘みが凝縮されるので砂糖などを加える必要はなさそうですが、実際には砂糖が加えられたり、シロップに漬けたものも少なくありません。糖分を加える理由は甘みや保存性のためだけでなく、食感を軟らかくする目的もあります。
糖分には水分を取り込む作用があり、糖分を多く使うほど乾燥させても水分の抜けすぎが起こらなくなり、軟らかな食感にすることができます。砂糖やシロップが使われたものには商品パッケージに表示することが義務づけられているので、裏側に記載された原材料表示を見れば確認できます。原材料表示は原材料のうち重量が多いものの順番に記載されるので、砂糖が上位に記載されているものは、砂糖が多く使われていることがわかります。