発達栄養学20 代謝促進成分の摂取タイミング

代謝促進成分はサプリメントの成分として使われていて、α‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10が組み合わされたサプリメントも増えています。しかし、サプリメント成分は摂取タイミングによって吸収に差があり、タイミングを間違うと吸収率が大きく低下することになります。
α‐リポ酸は糖質のブドウ糖を細胞の中のミトコンドリアに取り込むために必要な成分ですが、胃酸で壊れやすくなっています。食後に摂ると分解されるのでα‐リポ酸が本来持っている効果は得られなくなります。摂取タイミングとしては空腹時となります。
L‐カルニチンは脂肪酸と結びついてミトコンドリアの膜を通過させる作用があり、不足すると通過量が減って、脂肪代謝が低下することになります。L‐カルニチンは水溶性であるので、いつ摂っても吸収されますが、吸収率は一緒に食べたものによって異なっています。最も吸収率が高まるのはたんぱく質と一緒に摂ったときで、L‐カルニチンは肉類に含まれていることからたんぱく質との相性がよくなっています。
L‐カルニチンは日本人を対象とした試験では脂肪燃焼効果が高い成分であることが確認されています。ところが、欧米人を対象とした試験では、日本人ほどの好結果は得られていません。というのは、肉類の摂取が多い欧米人などは体内に多く蓄積されているため、サプリメントでL‐カルニチンを摂取しても効果が得にくくなっています。日本人は蓄積量が少ないためにサプリメントの効果が表れやすくなっているというわけです。
コエンザイムQ10はミトコンドリアの中で代謝を起こす酵素を正常に働かせるために欠かせない補酵素の役割をしています。コエンザイムQ10は脂溶性のために、空腹時に摂っても吸収されません。脂肪が含まれた食事をすることで脂肪に取り込まれ、食後には十二指腸から胆汁酸が分泌されるので、脂肪とともにわずか1%程度ですが、コエンザイムQ10は吸収されます。