発達栄養学51 牛乳が苦手な子どもの対応法2

子どもの偏食の中でも多い牛乳が飲めないことに対する改善のための方策の続きです。
感覚過敏のために牛乳が味や食感、においなどを強く感じて飲めないという場合には、少しの量から飲ませるようにします。一口でも抵抗があるという場合には、スプーン1杯から、それでも抵抗があるなら1滴から始めるようにします。抵抗感がまったくないという状態を待つことなく、少しでも弱まってきたと感じたら、徐々に増やして慣らしていくようにします。
スプーンの冷たい感触が嫌だという例もあり、この場合には木製のスプーンで飲ませる方法がとられて、成果をあげやすくなっています。
これでも改善しないというときには、原因に応じて別の対応を考えます。味に問題があるときにはココア味、イチゴ味などの別の味を加える、他の飲み物と混ぜて牛乳の味わいを目立たなくするといった方法があります。
牛乳は後味が残りやすく、それが抵抗感につながっている子どもも少なくありません。そこで炭酸飲料と混ぜて後味を弱めるところから始め、牛乳に豆乳を混ぜるなど牛乳に似た感触のものを飲めるようにしてから、牛乳を飲めるようにすることもできます。
1回に飲む量を少なくして、徐々に慣れさせていく方法と、味わいを変える方法を組み合わせると、より早く改善できたという報告も多数あります。
一般に牛乳というと高温殺菌牛乳があげられますが、高温殺菌ではたんぱく質の変性が起こり、これが味わいやにおいなどを強くして、感覚過敏では飲めないこともあります。低温殺菌牛乳は価格が高いものの、刺激が少ない低温殺菌牛乳から始めることによって改善された例も多くなっています。低温殺菌牛乳が飲めるようになってきたところで、通常の高温殺菌牛乳に変えていく方法もあります。また、乳製品特有の味わいが嫌いという場合には、ヨーグルトなどの別の乳製品から始めて、徐々に慣れさせて、改善をしていく方法もあります。