新型コロナウイルスの濃厚接触者の検査をしなくてもよいのか

新型コロナウイルス感染が激増する中で、神奈川県が濃厚接触者の検査をしないということを発表して、驚きの反応が全国的に広がりました。日本で新型コロナウイルスの感染が他国のように急拡大しないのは、ファクターXとされる他にない何らかの原因があると言われてきましたが、どうやら、それはないらしいことがわかってきました。国民全体の免疫力は日本人は他国に比べて低いことは以前から指摘されてきたことです。他に何があるのかと探られてきた中で、これではないかと考えられているのが、濃厚接触者への強制的なPCR検査の徹底です。
新型コロナウイルス感染の濃厚接触者は、厚生労働省の定義では「必要な感染予防策をせずに手で触れること、または対面で互いに手を伸ばしたら届く距離(1m程度以内)で15分以上接触があった場合」とされています。一般に認識されている濃厚接触者は一緒に暮らす家族や職場が一緒の会社員などですが、実際にはマスクなしで近くで会話をしただけでも濃厚接触者となるということを再度、思い出してほしいところです。
PCR検査で発見された数が毎日発表されていて、これは感染者と表現されます。一般に共通していることなので、私たちも感染者という言葉を使っていますが、正確さを重視するなら“陽性確認者”という言葉になります。この陽性が確認された人の濃厚接触者は、陽性が確認されていなくても感染している可能性があるということで、“疑わしきは罰する”という態度で対応してきたことが、感染拡大を抑えてきたということです。
しかし、ここまで感染が拡大して、過去に想定して、これくらいの保健所の対応、医療機関の対応でよいだろうと考えてきた範囲を超えてしまうと、濃厚接触者に対して検査をしても、それ以上の感染者が出ている段階では役に立たなくなったというのが、濃厚接触者の検査をしないという理由となっています。決して、保健所が忙しくなって限界を超えているから負担を減らすために検査を辞めたというわけではない、という説明もされています。
国のリーダーが、1か月後には必ず事態改善と発言しました。自体改善のためには何でもするということですが、濃厚接触者の検査をしないことが、その対策ではないはずだと考える人は少なくないはずです。