新型コロナウイルスに感染して、PCR検査によって陽性であることが確認されたら、入院しなければならないのは指定感染症の2類に分類されているからです。それが原則なのに、受け入れる病院の重症化対応ができるベッド数に限界があり、発熱があっても病院に入院することができず、ホテル隔離も部屋数に限界があることから、自宅で療養するしかない陽性確認者も少なくありません。
少なくないところではなくて、東京都の場合には自宅療養をしている陽性確認者は1万人を超えています。症状が悪化したら救急搬送されることになっているといっても、受け入れ先になるはずの病院のベッド数が限界近くになり、これ以上を受け入れたら医療崩壊という状況では、悪化しないことを願って過ごすしかないという悲惨な状況になりつつあります。
新型コロナウイルスの重症患者は東京都だけで100人を超えていて、全国では1000人を超えています。これが減らないことには、新規に陽性確認者を病院で受け入れるわけにはいかないという状況でもあります。
新型コロナウイルスで絶対に入院しなければならない人のベッド数が増えないのは、ベッドだけの問題ではなくて、治療・看護に当たる専門スタッフの不足が大きな原因となっています。これが増やせないのは、陽性が確認されて悪化している患者を受け入れるほど病院は他の疾患の重症患者を受け入れられなくなるからです。
国立大学病院のデータでは、新型コロナウイルス感染が始まったときから、手術をすべき患者を10万人以上も延期にしているという状況です。この状況は他の病院でも同じことで、手術の医療費は高額で、病院の収益に与える影響も大きいので、これが得られないということは経営が厳しい状況になっていることは簡単に想像ができることです。
とはいっても、新型コロナウイルスに感染して、苦しんでいる状況で、いつまで自宅にいなければならないのかがわからない人にとっては、病院の収益よりも患者の健康のほうを優先できないのか、という思いになるのは当然のことです。