新型コロナウイルスの感染拡大が第三波のピークから下がってきたことから、これで収束に向かうと期待する声がある一方で、見えない市中感染が広がっているだけで、また増えて第四波に向かうのではないかという不安の声もあがっています。これまで感染確認者が減ると、その2〜3日前の検査を受けた人が減ったので、それで減っただけではないのかという疑問や懸念もありましたが、検査数に比べて感染確認者が減っていることがわかり、実効再生産数も減って、感染のリスクが下がってきた証拠だと報道されています。
もう一つの見方があって、感染確認者の数が減っているのは、感染しやすい高リスク者の多くが感染した結果ではないかとの考えも示されています。濃厚接触者が必ず感染するわけではなくて、高齢者は基礎疾患がある人は同じ感染リスク環境であっても感染しやすく、感染すると重症化しやすいことが指摘されています。
感染しやすい人が先に感染して、そのために感染者は抗体ができていて、再び感染するリスクが低くなっているということです。これが本当だとすると、感染者は減っていくことになるわけですが、市中感染が広まっているのは、これまでの新型コロナウイルスだけではありません。新たに変異種が増えていっていて、この変異種は以前とは違うタイプなので、以前に感染した人が別タイプに感染する可能性はあります。こうなると以前に感染して抗体ができていたとしても、その抗体が戦えない相手という恐ろしい結果も考えられます。
こうなると、感染者が減っているのは一時的であって、また増加してくる可能性は当然のようにあります。今のところ、準備されているワクチンは変異種にも効果があるように伝えられているものの、その発言の多くは「同じように効果があるとみられている」とか「同じ結果と考えられている」ということであって、着実に効果があるとは専門家も言っていないのです。ましてやワクチンの効果は100%ではなくて、10%以上に抑制効果がみられないとされるワクチンも存在しているのです。