体内の水分量はバランスが取れている

人間の身体から失われる水分は、個人差はあるものの1日に約2ℓ(リットル)とされています。その内訳は、尿として約1ℓ、汗や呼吸などで約0.9ℓ、便で約0.1ℓです。汗を多くかく季節には失われる水分量が多くなるのは当然のことです。
水分が出て行った分だけ補わなければいけないわけですが、1日に身体の中に取り入れられている水の平均は飲料から約1ℓ、食べ物から約0.7ℓ、代謝水として約0.3ℓで、こちらも合計で約2ℓとなっています。この出入りでバランスが取れているわけです。代謝水というのは、食べ物が身体の中でエネルギーとして使われる代謝に伴って自然にできる水のことです。少しだけ詳しく説明すると、全身の細胞の中にあるミトコンドリアという小器官では食品の糖質、脂質、たんぱく質をエネルギー源としてエネルギー物質のATP(アデノシン三リン酸)が作り出されています。このエネルギー産生のときに二酸化炭素と水が作り出されます。
このほかにも体内では胃液、胆汁、膵液などの消化液、小腸から出る腸液として1日に約7ℓが出ています。そして、約6ℓは小腸から、約1ℓは大腸から体内に吸収されています。小腸と大腸から吸収されている水は、消化液や腸液だけでなく、飲料などから摂ったものも含まれています。つまり、飲み水の一部は身体の中に吸収されていくわけですが、その水は体内の循環水として身体の中を巡って、細胞の内外で使われています。
代謝水は、まったく汚染されていない純水で、H₂Oそのものとなっています。体内の循環水も純水であることによって細胞の中に酸素や栄養素(エネルギー源、ビタミン、ミネラルなど)を取り込むことができます。そして、細胞で発生した二酸化炭素や老廃物を純水に溶かし込んで細胞の中に排出しています。それだけに、外から取り入れる水は、できるだけ汚染されていない、身体に吸収されやすい水をたくさん飲むことが求められています。