国立高度専門医療研究センター6機関(国立がん研究センター、国立循環器病研究センター、国立精神・神経医療研究センター、国立国際医療研究センター、国立成育医療研究センター、国立長寿医療研究センター)が連携して、研究成果として「疾患横断的エビデンスに基づく健康寿命延伸のための提言(第一次)」を公開しています。その要点を掲載します。
〔喫煙・受動喫煙〕
◎たばこは吸わない。
*喫煙により、がん、循環器病、高血圧、糖尿病、うつ病、認知機能低下や認知症のリスクが増加します。
*妊婦の喫煙による、妊娠高血圧症候群などの妊娠合併症、早産・胎児発育不全のリスクが増加します。一方、妊娠早期の禁煙により、早産や低出生体重や胎児発育不全のリスクが軽減します。
*未成年者では喫煙開始の予防が重要です。
◎他人のたばこの煙を避ける。
*受動喫煙による、がん、循環器病、高血圧、糖尿病、呼吸器疾患のリスクが増加します。
*妊婦の受動喫煙により、妊娠中・産褥期のうつ、早産、子供の発達遅延のリスクが増加する可能性があります。
*子どもの受動喫煙による、乳幼児突然死症候群や呼吸器疾患のリスクが増加します。また、家庭内で受動喫煙を受けた子どもは将来喫煙しやすいことも指摘されています。
◎加熱式たばこも吸わない。煙も避ける。
*WHOは、たばこ葉を含む全てのたばこ製品は有害であるとの原則から、健康影響が不確かな現状においても、加熱式たばこを規制の対象にすべきとの見解を示しています。