国立高度専門医療研究センター6機関(国立がん研究センター、国立循環器病研究センター、国立精神・神経医療研究センター、国立国際医療研究センター、国立成育医療研究センター、国立長寿医療研究センター)が連携して、研究成果として「疾患横断的エビデンスに基づく健康寿命延伸のための提言(第一次)」を公開しています。その要点を掲載します。
〔飲酒〕
◎節酒する。飲むなら節度のある飲酒を心がける。
*過剰飲酒により、がん、循環器病、高血圧、糖尿病のリスクが増加します。また、アルコール依存症のリスクも増加します。
*適量の飲酒により認知症のリスクは低下しますが、過剰節酒では認知症のリスクは増加します。
*寝酒は早朝覚醒や中途覚醒を増やし、睡眠の質を低下させます。
*妊娠中の飲酒は胎児性アルコール症候群を引き起こします。妊婦の安全な飲酒量はありません。
*未成年の飲酒は認知機能や行動、脳神経細胞に悪影響を与える可能性が指摘されています。
*1日あたりの適正飲酒量の目安は、男性はアルコール量に換算して約23g(日本酒なら1合)、女性はその半分までです。また、お酒を飲む習慣がある場合でも休肝日を作ることが推奨されています。
◎飲まない人や飲めない人にお酒を強要しない。
*お酒は体質的に合わない人や飲めない人がいます。他の人にお酒を強要しないことが推奨されています。