国立高度専門医療研究センター6機関(国立がん研究センター、国立循環器病研究センター、国立精神・神経医療研究センター、国立国際医療研究センター、国立成育医療研究センター、国立長寿医療研究センター)が連携して、研究成果として「疾患横断的エビデンスに基づく健康寿命延伸のための提言(第一次)」を公開しています。その要点の前半を掲載します。
〔食事〕
年齢に応じて、多すぎない、少なすぎない、偏りすぎないバランスのよい食事を心がける。
◎食塩の摂取は最小限(日本人の男性7.5g/日未満、男性6.5g/日未満)に。
*高塩分食品の摂取を抑えることは胃がんの予防につながります。また、減塩は高血圧を予防し、循環器病の予防につながります。
*減塩の効果は、子どもから高齢者まで世代にかかわらず見られます。
◎野菜、果物は適切に、食物繊維は多く摂取する。
*野菜、果物は適切に、食物繊維は多く摂取することにより、がん、循環器病、糖尿病、妊娠高血圧症候群の予防につながります。
*成人では、1日に野菜350g、果物200g、食物繊維17〜21gを目標に摂取することが推奨されています。
◎大豆製品を多く摂取する。
*大豆製品を多く摂取することにより、脂質異常症の改善、循環器病の予防につながります。発酵性大豆食品を多く摂取することにより、早死、血圧高値の予防やがんの予防につながります。
*大豆イソフラボンのサプリメント摂取には注意が必要です。
◎魚を多く摂取する。
*魚を多く摂取することにより、循環器病の予防につながります。
*妊婦は魚介類を多く摂ることにより、妊娠高血圧症候群、早産の予防につながります。
*妊婦では極端に偏った魚介類の摂取を通じた水銀摂取に一定の注意が必要です。
◎赤肉・加工肉などの多量摂取を控える。
*赤肉・加工肉の摂りすぎにより、大腸がんのリスクが増加する可能性があります。
*赤肉・加工肉、揚げ物の多量摂取により、循環器病や糖尿病のリスクが増加します。