発達栄養学81 3時のおやつで太る人とやせる人の違い

3時のおやつは太ににくいと言われています。午後3時にエネルギー量が多めのものを食べても、夕食の時間までには代謝されるので、夕食に影響を与えることはありません。理由は、それだけではなくて、BMAL1(ビーマルワン)の存在があげられます。これは脂肪蓄積タンパク質で、体内に増えることによって脂肪細胞の中に蓄積される脂肪(中性脂肪)の量が増えていくことが知られています。BMAL1の増加量が1日の中で最も少ないのは午後3時ころとなっています。BMAL1は午後10時を過ぎると、最も少ない午後3時に比べると20倍ほどにも増えるとされています。中性脂肪を取り込む働きをするタンパク質であるので、これが少ないということは、おやつに脂肪が多く含まれているものを食べても太りにくいことになります。
夕食を食べてから就寝するまでの間に空腹を感じた場合にはBMAL1が大きく増えているので、脂肪が多い洋菓子などは食べないほうがよいことがわかります。ただ、午後3時はブドウ糖の量に反応してインスリンを分泌する膵臓の働きが活発になる時間帯であるので、このときに血糖値が上昇しすぎるとインスリンが出すぎることによって、肝臓での脂肪酸合成と中性脂肪合成が進むことになります。
午後3時というと、昼食と夕食の間に“小腹が減る”という状態と合致しています。これは12時に昼食を食べると3時間ほどで胃の中のものが消化されて、多くが小腸に送られることと、食事によって上昇した血糖値が下がっていくのに3時間ほどかかることが関係しています。この状態のときには、胃が空っぽになったわけではなくて、血糖値が下がることによって空腹を感じているので、血糖値が少し高めるように少しだけ甘いものを食べても落ち着くことができます。
昼食が遅くなっても3時のおやつは太らないのかというと、昼食が遅くなり、3時のおやつがデザートのようになると、血糖値が大きく上昇して、インスリンが多く分泌されて、脂肪合成が進みます。3時のおやつは昼食が遅くなったときには控えるべきだということです。