日本の高齢化率(令和2年)は28.7%と過去最高を更新して、世界1位の割合となっています。高齢化率が7%を超えると高齢化社会、14%を超えると高齢社会、21%を超えると超高齢社会と分類されていて、日本は平成19年に超高齢社会に突入しています。未だに高齢化社会という言葉が使われることもあるのですが、とっくに時代は変わっていたということです。
高齢になるほど医療費が増える傾向があるわけですが、1人あたりの生涯医療費が初めて発表された平成18年〜19年には2200万円(男女計)、平成20年〜21年には2300万円、平成22年には2400万円、平成23年〜24年には2500万円、平成25年〜26年には2600万円、平成27年以降には2700万円と増える一方となっています。
平成29年の日本人の生涯医療費の男女計の約2700万円のうち50%ほどは70歳以降に使われています。男性では約2600万円で70歳以降は47%、女性では約2800万円で70歳以降は53%で、女性のほうが金額は多く、70歳以降の割合が大きくなっているのは女性のほうが寿命が長いことが関係しています。
男性の平均寿命が80歳とすると、わずか10年の間に1222万円が使われている計算になります。女性の平均寿命は87歳であることから17年間に1484万円が使われていて、男性のほうが短い間に多くの医療費を必要としていることがわかります。
高齢化率が高い地域ほど生涯医療費が上昇する傾向があることは明らかですが、この期間に達するまでに、食事や運動などの生活習慣を見直すことによって、機能低下を抑えて10年前の健康状態に戻すことができたなら、健康寿命を大きく延伸させることができます。そして、医療費も大きく抑えることができる可能性があることがわかることから、感染症の拡大によって運動の機会も、集まって健康について学ぶ機会も減っている中、これらのことを元も状態に戻すことから始めるべきではないかと考えています。