発達栄養学92 水溶性サプリと脂溶性サプリの摂取タイミング

ビタミンには水溶性と脂溶性の2種類に大きく分かれることが知られています。水溶性ビタミンは水に溶ける性質があり、胃の中の水分だけでも分解されて小腸から吸収される形になります。脂溶性ビタミンは脂肪に溶ける性質があり、食事で摂った脂肪が含まれていないと分解されず、小腸から吸収されることもありません。そのため、水溶性ビタミンは、どのタイミングで摂っても吸収されるのに対して、脂溶性ビタミンは食事の前後に摂る必要があり、そのタイミングが異なると吸収されず、素通りになってしまいます。
この水溶性と脂溶性の性質はビタミンだけでなく、サプリメント成分においても同じことがいえます。例えば、代謝促進成分であるα‐リポ酸とL‐カルニチンは水溶性の性質があります。そのため、ビタミンと同様に、いつ摂っても効果は変わらないと思われがちですが、空腹時に摂らないと効果がないものもあり、食事の前後でないと効果が出ないものがあります。
α‐リポ酸は水溶性で胃液の中で分解される性質があるため、食事の前後に摂ると分解されて効果がなくなってしまいます。そのため空腹時に摂る必要があります。空腹時というと、医薬品では食事と食事の間を指していて、この場合の空腹時も同じ意味となっています。最も空腹を感じるのは食事の前ですが、このタイミングは食直前ということになります。
L‐カルニチンも水溶性ですが、たんぱく質と相性がよい成分であるために、空腹状態で摂るよりも、たんぱく質が含まれる食事と一緒のほうが吸収されやすくなっています。
コエンザイムQ10は脂溶性で、食事で摂った脂肪によって溶けて吸収されるので、空腹時では素通りします。
α‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10は組み合わせて摂ることで代謝促進効果が高まりますが、L‐カルニチンとコエンザイムQ10は食事の前後に摂るべきもので、α‐リポ酸は空腹時に摂るべきものです。しかし、これらが一緒に配合されたサプリメントもあり、いつ摂っても充分な効果が得られないということになってしまいます。