学習塾は学校の学びを補うもので、発達障害の学習障害に限らず、自閉症スペクトラム障害でも注意欠陥・多動性障害でも、学校では達成することができないことを身につける場として重要な位置付けとなっています。学習塾というと、学ぶ環境が整えられていることが期待されていて、静かに、集中して学べる室内環境、学習環境が求められます。発達障害児の場合には周囲が気を使って、できるだけ最良の学ぶ環境を与えようとするのが普通です。
それがかなえられるかは別にして、よりよい環境こそが、子どものためであり、進学のために役立つものと考えられがちです。しかし、それは本当のことなのか、本当に成果が得られることなのかという疑問も抱かれています。
最良の学習条件は、確かに集中ができて、試験の成績ということでは、よりよい結果が得られるはずです。よりよい環境では、学ぶときも、試験問題を解くときも、よい結果が得られます。しかし、その試験問題を解いて、よい結果が得られるというのは、教室の中での結果であって、実際に多くのライバルがいる中で、試験問題を解くというときになると、そのまま通用するわけではありません。
集中したくても、気を反らせられることが周囲で起こり、試験官の態度が集中力を削いで、記憶を呼び戻す妨げになることが多々あります。ときには他の受験生が邪魔をしてくることもあります。そんな環境でもあっても、自分の実力が発揮できるようにしておくことが重要で、そういった環境の中でも戦えるように学び、試験のシミュレーションをしておくことが重要になります。
あえて集中しにくいところで学び、試験問題を解いていくという、普通なら非常識と思えるような学習環境が、発達障害がある子どもたちには必要であるということを主張し、そういった環境での学習機会を提供している方々を応援するようにしています。