発達障害は複数のものがある中で、自閉症スペクトラム障害、注意欠陥・多動性障害、学習障害が三大障害としてあげられています。文部科学省の定義では、以下のように示されています。
「学習障害とは、基本的に全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を指すものである。学習障害は、その原因として、中枢神経系に何らかの機能障害があると推定されるが、視覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害などの障害や、環境的な要因が直接的な原因となるものではない。」
この中で、注目すべきは重複障害が触れられていないことで、他の障害がある場合には、学習面に困難さがあっても学習障害とはされないことです。他の障害だけでなく、他の発達障害(自閉症スペクトラム障害、注意欠陥・多動性障害など)が原因となって学習に障害が起こっていても、この定義では学習障害とはされないことになります。
学習障害の子どもに対して学習を通じて支援をする場合の対象は、文部科学省の考え方に従うなら、他の発達障害の子どもは含まれないことになり、学習面で困難さを抱えていても、また進学を目指して学習したいと願っても、かなえられないことになります。
このことには異論や批判があることは承知をしていて、あえて発言をしているのですが、学習障害の子どもは学校教育の中ではなく、それ以外の学習の場で学ぶことが求められることになります。また、自閉症スペクトラム障害や注意欠陥・多動性障害によって学習に問題が出ていても、やはり学校の中では解決できないということになります。学校教育の中で行われている国語または算数の基礎的能力に著しく遅れがあって、学年を1〜2年下げた内容で学ぶということしか対応できないのでは、その子どもの秘めた能力を引き出すことは学校教育の中だけでは難しいということになります。