発達栄養学99 サプリメントの摂取タイミングの意味

サプリメントは食品に分類されるため、摂取タイミングを表示することができません。その根拠となっているのは薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)で、これに基づく「無承認無許可医薬品監視指導マニュアル」によって、具体的に禁止される項目が定められています。マニュアルによるとサプリメントを含む健康食品は、医薬品のような効能効果、用法用量は表示することができません。用法用量というのは、どの対象者が、どれだけの量を摂るということと、どのタイミングで摂るということです。
効能効果については、特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品は一部が認められています。その範囲は健康効果であって、医薬品の効果とされること、身体の機能に影響を与えることは表示することができません。サプリメントを含む健康食品は、効能効果は一部であっても表示できないうえに、摂取タイミングも表示することができません。それでは無駄づかいにもなってしまいかねないわけですが、唯一の解決策が教育や情報によって正しい使い方を知ることとなります。
摂取タイミングとしては、サプリメントも医薬品と同様に最良のタイミングが確認されています。医薬品の摂取タイミングとしては、食前、食直前、食直後、食後、食間、就寝前といった表現がされています。サプリメントの場合には空腹時という表現もされます。
医薬品で食前というのは食事の30分前、食後は食事の30分後、食直前は食事の5分前、食直後は食事の5分後となります。食間は食事をして2時間後を目安としています。食間という言葉は食の間ということで、食事の途中で箸を置いて、薬を飲んでから、また食べ始めるということをしていた人もいました。この摂取タイミングは食中ということになりますが、一般的な医薬品では、このタイミングはないので、食中という言葉も使われていません。
医薬品の食間は2時間後ですが、サプリメントで使われる空腹時は食間とイコールではなくて、食事と食事の間を指しています。朝食が7時で昼食が12時だとすると2時間30分後となります。昼食が12時で夕食が18時だと3時間後となります。夕食のあとの食事である翌日の朝食までには時間が長いことから空腹時という言葉ではなくて、就寝前ということになります。医薬品で就寝前というのは寝る1時間前を指していますが、サプリメントでは就寝する直前でも問題なしとされています。
医薬品には起床後という表示はなくて、起床して30分くらいで朝食を食べることから食前とされています。サプリメントの中には食事の影響を受けないようにするために、起床後に摂ることをすすめられるものもあります。その代表的なものがイオン化して吸収されるカルシウムのサプリメントです。